【2級学科試験+記者の眼】 17年度から土木・建築の技術検定は年2回実施へ
2016/12/13記者の目/論説
建設メール
国土交通省は2017年度から土木・建築の技術検定で2級学科試験を年2回実施することに伴い、おおむねの試験日程を決めた。詳細は来年1月に官報で周知する。
2級土木施工管理技術検定の種別「土木」は1回目の試験を17年10月に、2回目の試験を18年2月に行う。2級建築施工管理技術検定の種別「建築」は1回目の試験を17年6月に、2回目の試験を同年11月に行う。
17年度は土木の2回目と建築の1回目の試験は学科試験のみで、土木の1回目と建築の2回目の試験は学科試験と実地試験の両方を実施する。
土木の場合、17年度の日程は変則的となるが、18年度以降は建築と同様に1回目の試験日は6月ごろ、2回目の試験日は11月ごろを予定する。
技術検定の受験者数が減少し、合格者の高齢化が進む中、高校在学中でも受験可能な2級学科試験の受験機会を増やすことで若者の入職促進につなげる考え。17年度は受験者総数や若者受験者が多い土木と建築で先行実施し、効率的な運営体制や増加費用の程度、受験者の動向を把握するほか、並行して本格実施に向けた環境整備を進める。
〈記者の眼〉
2級学科試験の年2回化では、まだ実地試験を受けることができない高校生が主な標的になる。また、建設業で働きながら2級学科試験を受けようとした人が、現場の都合でどうしても受験できなかった場合でも、半年後には再度受験の機会があることも大きい。さらに学科試験や実地試験を受けたものの不合格となり、そのまま建設業を離れた人を建設業に戻す効果も期待される。実際に2回連続で実地試験に不合格だった人が再度学科試験から受け直す率は大幅に減少する傾向にある。従来、1年に1回しか受験機会がなかったものが、半年に1回受験することができるため、再挑戦する意欲も高まるだろう。