見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 まずは雰囲気づくりから
2024/01/23コラム
日々の栞
▼1月1日に発生した能登半島地震は北陸地域に大きな被害を与えた。地震による交通障害や断水などの応急対応をはじめ、本格的な復旧復興のためには地域に根差した建設業の存在が欠かせないのは言うまでもない。災害対応のみならず、インフラの維持管理や除雪など、各地域で建設産業の空白地帯を生じさせてはならない
▼建設業がその役割を果たし続けるためには人手不足の解消、担い手の確保が喫緊の課題となる。週休2日や労働環境の改善に業界を挙げて取り組んでおり、裏を返せば、それだけの危機感を持っているということだ
▼人手不足が深刻化する中で、行政や各協会などが主催している就職説明会に参加する様子もなく若手を採用できた企業の社長に、その理由を聞いた。社長いわく最初に他業種から建設業へ入職した1人が友人を誘い、さらにその友人が知人を誘った結果、若手が若手を呼び徐々に増えてきたそうだ
▼「仕事に必要な免許など最低限の資格は取得してもらうが、スキルアップは仕事に慣れてから。まずは続けられる、面白いと思ってもらうところから」と話した。若手を「資格も経験もない、烏合（うごう）の衆ですから」とは言ったが、その口ぶりからは明らかに謙遜と職場の雰囲気の良さが感じられた。今の課題は技術の伝承だという
▼仕事をする上で資格や経験が重要となる業界ではあるが、続けられなければ意味をなさない。週休2日や残業時間削減などの働き方改革をはじめ、給与水準の改善なども必要ではあるものの、まずは担い手を受け入れる体制、職場環境や雰囲気を見直すことも大切な取り組みの一つとなる。（新潟・HT）
