現場が抱えるジレンマ⑧ 具現したい改正3法-絵に描いた餅にするな
2015/04/01特集企画/PR
建設メール
山梨県建設産業団体連合会と県建設業協会は2月3日、山梨県県土整備部に対して「歩切り行為の根絶」と「工事発注・施工時期の平準化」について要望した。
要望活動の背景には、品確法、建設業法、入契法の、いわゆる「担い手3法」の改正がある。特に改正品確法では、公共工事の品質確保とその担い手を中長期的に育成・確保するため、発注者責務の明確化、多様な入札制度の活用などが規定された。
このことは、地域の安全・安心を支える地方建設業界が長年切望していたことだ。建設投資の減少などにより疲弊した地域の建設業は、地域での災害対応を含めた地域のインフラ維持管理体制が整わない事態に直面していたからだ。それは、昨年2月に観測史上最大の豪雪に見舞われ〝陸の孤島〟となった本県でも表れた。
建設業協会では、県土整備部への要望にとどまらず、県内の各地区協会が市町村へ同様の要望活動を展開中だ。
こうした活動をねばり強く進めていくことが、各発注者の意識を変革し、改正法の趣旨が広く浸透していくことにつながる。特に歩切りは長年の慣習のような部分もあり、ことあるごとに法律違反であることを訴え続けなければならない。
県土整備部への要望活動で、両団体のトップである浅野正一会長は「歩切り根絶に向けて適切な対応、市町村への指導をお願いしたい。工事の平準化については、厳しい経営環境にある県内建設業の現状をご理解いただき、ご対応を」と望んだ。このことは地域建設業が今、求めていることである。改正品確法を「絵に描いた餅」にしてはならない。