【展望2017 ①】 生産性革命は「前進の年」に
2017/01/10記者の目/論説
建設メール
国土交通省の生産性革命本部では昨年までに20の生産性革命プロジェクトを選定した。石井啓一大臣は昨年11月の会合で「いずれも人口減少時代においても持続的な経済成長を遂げる上で不可欠な取り組み」としながら、20のプロジェクトのさらなる具体化などを目に見える形で精力的、スピード感を持って取り組むことを指示。2017年を生産性革命「前進の年」にするため、より一層の取り組みを求めている。
主なプロジェクトは▽ピンポイント渋滞対策▽本格的なi-Constructionへの転換▽新たな住宅循環システムの構築と住生活産業の成長▽急所を特定する科学的な道路交通安全対策▽コンパクト・プラス・ネットワーク▽土地・不動産の最適活用▽インフラ海外展開▽インフラメンテナンス革命▽ダム再生▽下水道イノベーション▽鉄道生産性革命▽クルマのICT▽航空インフラ革命▽気象ビジネス市場の創出―など。
このうち下水道イノベーションでは、下水汚泥のエネルギー・農業利用率を現状の約25%から20年に約40%へ引き上げるとともに、年間約200億円相当のエネルギーを化石燃料に代わって下水汚泥から生産することを目標に掲げており、今後は下水汚泥の徹底的な活用が進む見込みだ。
ICT土工の導入、施工時期の平準化を先行施策として実施しているi-Constructionのように、各プロジェクトの具体化が進むことで生産性向上の効果が目に見える形で表れるとともに、新たな市場の拡大も期待される。