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【河川環境施策】 今後のあり方案示す／定性的と定量的指標など
2024/03/11建設時事
建設メール
国土交通省は、今後の河川環境施策のあり方について検討を進めている。11日に開催した検討会で、今後のあり方案を示し、委員から意見を求めた。河川整備基本方針では、保全すべき生物種、生物の生息・生育・繁殖の場を保全・再生・創出していく方針等を定性的に記載。河川整備計画は「生物の生息・生育・繁殖の場」に関する定量的な指標を用いて、河川環境の保全と整備、維持管理の目標を記載する案を示した。
河川法改正から四半世紀が経過し、当時では想定されていなかった河川環境を取り巻く変化が発生している。これまで進めてきた河川環境施策からの知見を整理し、流域まで含めた方向性や対応方針をまとめる。
生物の生息・生育・繁殖の場に関する指標については▽低・中茎草地、自然裸地、外来植物生育地、水生植物帯、ワンド・たまり、干潟、ヨシ原などの場の面積▽瀬と淵、止水域、湧水地、ワンド・二次流路などの箇所数▽河辺性の樹林・河畔林などの延長▽魚類の生息・生育・繁殖にふさわしい水際などの比率―などを想定し、河川・地域に応じて指標を検討・設定する。河川・地域に応じた目標は、地域のさまざな意見を聴き、ふさわしい複数の指標を選択する考え。
順応的な河川管理に関しては、治水を主目的とした事業、災害復旧事業などでも、大規模な事業を実施する際には、事前の調査、実施中のモニタリング、モニタリングを踏まえた手法の見直しなどを制度化する。河川整備計画を変更する場合も、ネイチャーポジティブを考える上で、既存計画の実施による状況の変化を踏まえ、目標や評価原点を再設定するとした。
ネイチャーポジティブに関しては、災害復旧や施設更新を機会ととらえ、元に戻すのではなく、生物の生息・生育・繁殖の場の保全・再生・創出に取り組む、とした。また、大規模事業などの場合、多自然川づくりアドバイザーも効果的に活用、そのための人材育成にも取り組む。
新技術の積極的な活用に関しては、環境DNAに限らず当面は既存の手法と併用しながら順次移行するなど、連続性を考慮。一方で、新技術による効率化、省人化などの成果を、河川管理の高度化につなげることも検討する。
