【統計調査+記者の眼】 11月の建設工事受注高は民間で好調続く
2017/01/12記者の目/論説
建設メール
国土交通省がまとめた2016年11月分の建設工事受注動態統計調査報告によると、受注高は6兆7988億円で前年同月比3・2%増となり、好調な民間からの受注を受けて、前月の減少から再び増加した。
元請受注高は4兆2879億円で前年同月比1・9%減と2カ月連続で減少したものの、下請受注高は2兆5109億円で同比13・3%増となり、2カ月ぶりに増加へと転じている。
公共機関からの受注工事額は前年同月比12・8%減で2カ月連続の減少。国の機関、地方の機関はいずれも減少しており、本年度上半期の早期発注の反動が表れていると考えられる。
民間は建築・建築設備工事の1件5億円以上の工事受注額が2カ月連続で増加した。大規模な住宅や工場・発電所の工事が目立つ。土木・機械装置等工事は前月の減少から増加しており、機械装置等工事が最も多かった。
業種別では、前年同月比で総合工事業が2カ月連続減少し、職別工事業は12カ月連続の増加、設備工事業は4カ月連続で減少した。
〈記者の眼〉
公共機関からの受注工事高は9月に前年同月比37・9ポイント増を記録して以降、2桁の減少が続いているため、早期発注の息切れが出ているのは確実だろう。ただ国の本年度第2次補正予算を受けた工事発注が1月以降に各地で本格化するとみられるため、今後は数値の改善が期待される。16年1月以降の累計受注高は公共・民間合わせて同比5・9ポイント増となり、現時点では昨年を上回る勢いで推移していることから、17年以降の建設業の動向を占う意味でも最終的な結果が注目される。