【展望2017 ②】 ICT土工は地方にも普及拡大へ
2017/01/11記者の目/論説
建設メール
国土交通省は建設現場の生産性向上を目指すi-Constructionの取り組みのうち、直轄工事で進むICT土工を地方の自治体や中小建設業者にも本格的に普及拡大させる。新年度に予定する普及加速事業に先立ち、昨年には先導的モデル自治体として初弾に静岡県、第2弾に茨城県を選定した。両県では今後、県、国交省、関連業界団体などで構成する支援協議会を通じてICTモデル工事の実施、各種支援策の検討や普及活動を行い、地域の中小建設業者が事業の初期段階からICT活用を円滑に導入できるように支援していく見通しだ。
国交省の基準に準じて独自でICT土工の試行を進める県も出ている。例えば新潟県では施工者希望型を中心に数件の試行工事を進めている。群馬県ではバイパス盛土工事で試行に入っており、新年度以降は試行件数を増やす意向を示している。長野県でもダム再開発工事においてICTを活用した工事を実施中で2017年度には各建設事務所で1件ずつ行う方針。また、埼玉県では17・18年度の試験施工期間を経て19年度からICT土工を本格運用する意向だ。
国交省直轄工事で進むICT土工のうち、8割以上は地域の建設業者が行っており、今後、県が発注するICT土工に対応することは十分可能だろう。いずれはICT土工の大半が自治体発注工事になることは間違いなく、小規模土工でも導入するメリットがあることが分かれば、前向きに検討する発注者・受注者は必ず出てくる。ある程度のスピード感を持ちながら、段階的かつ積極的な導入が求められる。