【展望2017 ③】 10年後見据えた建設業関連制度を議論
2017/01/12記者の目/論説
建設メール
国土交通省が昨年10月に設置した有識者・関係者による建設産業政策会議において、10年後も建設産業が生産性を高めながら現場力を維持できるように、法制度をはじめとする建設業関連制度の基本的な枠組みの検討が進んでいる。6月にも提言をまとめる見通しだ。
将来の担い手不足が懸念される中、近年はさまざまな分野で技術革新が進み、建設業でも10年先を見越した場合に、ICT技術の進展などで施工のあり方そのものが大きく変化することが予想されている。政策会議では今後の検討課題を①法制度・許可②企業評価③地域建設業―の3つに大別し、各ワーキンググループを設置して1月下旬から具体的な検討に入ることを決めた。このうち地域建設業に関しては地域の建設会社が安定した受注を確保できる方策、地域の包括的維持管理方策、事業継承の環境整備、現行の経営事項審査(経審)における地域貢献の評価で見直すべき点などの議論が想定されている。
今から10年前は建設投資の急激な減少に伴う過剰供給構造が問題で、再編・淘汰は不可避とされた。談合廃絶への社会的要請もあった。また品質確保や将来の担い手不足への懸念は今も続く課題である。
今後の議論によっては建設業法、請負契約、経審、地域建設業のあり方などの大幅な見直しにつながる可能性もある。業界にとって長年の課題解決へ道筋を付ける最大のチャンスでもあり、それぞれの立場を超えて建設業界として協力し、新たな方向性が導き出されることが期待される。