【埼玉発】 県のICT活用工事初弾は発注者指定型で
2017/01/13建設時事
建設メール
埼玉県県土整備部は12日、ICT活用工事の初弾案件となる「社会資本整備交付金(河川)工事(護岸工)」を公告した。発注者指定型としてICT活用を施工条件に定めており、対応できる建設会社のみで競争入札が行われる格好だ。工事箇所は羽生市北袋地内ほかで、主に中川の護岸工事と中手子林調節池の掘削工事を行う。本年度の発注予定は今回の1件だけだが、県では2019年度からICT土工を本格運用する考えで、17・18年度も試行の増加が見込まれるため、県工事を元請けとして受注している各社は今後、対応が必要になってくる。また、現時点で受注者が責任施工の原則の中で自発的にICTを活用している工事は5件程度あるという。
県は工事の生産性を上げるためにICT活用を積極的に進める考え。活用工事ではICT施工技術を全面的に活用する。具体的には▽3次元起工測量▽3次元設計データ作成▽ICT建設機械による施工▽3次元出来形管理などの施工管理▽3次元データの納品―を行う。ICT活用に要する費用は積算で計上し、予定価格に反映させている。
今回の工事における具体的な内容と対象範囲は受発注者間で協議するが、土工の施工範囲全てでICTを活用することを基本とする。協議により決めた実施内容は施工計画書に記載する。
県では試行案件の公告に先立ちICT施工の要領・基準類を策定、1月から適用を開始している。今後、17年度の運用方針検討を本格化するが、国交省に準じて必要経費を変更契約する施工者希望型の枠組みを作ることも検討項目の一つになりそうだ。