【展望2017 ⑤】 適正施工確保へ変わる技術者制度
2017/01/16記者の目/論説
建設メール
国土交通省が設置した適正な施工確保のための技術者制度検討会では、技術者制度に関する課題を整理するとともに、今後の方向性を審議している。監理・主任技術者の配置・専任要件の在り方や監理技術者要件としての新たな国家資格の必要性、技術検定の見直しが主な検討課題で、建設産業政策会議とも連携しながら、6月ごろに検討結果を取りまとめる。
注目は技術検定の見直しで、2級学科試験の年2回化を目指す。2017年度は受験者総数や若者受験者が多い土木と建築で先行的に実施し、効率的な運営体制や増加費用の程度、受験者の動向を把握するほか、並行して本格実施に向けた環境整備を進める。種別区分の見直しも行う。「2級建築施工管理技術検定」に関しては技術的な背景も踏まえて学科試験は全て統一問題とし、種別の専門分野の問題は実地試験の段階で行うことを具体的に検討する。また、学科試験合格者に「○○技士補」といった名称を与えることや、1級試験の受験要件を緩和し、2級検定の合格者は翌年度から1級の学科試験を受験可能とするなど新たな仕組みも導入する見通しだ。
さらに、実務経験により監理技術者となる割合が高い5業種の分析を行った結果、電気通信工事に関する新たな国家資格(技術検定)の創設について早期に検討が必要と判断。今後、検討の場を設置して具体的な内容を検討することにしている。