【総合評価方式】 WLB関連認定制度は17年度に試行拡大
2017/01/24建設時事
建設メール
国土交通省は24日に開いた今後の総合評価落札方式のあり方を検討する懇談会で、担い手確保に関する入札契約段階での取り組みの今後の改善策を示した。建設現場において仕事と生活の調和を図るワーク・ライフ・バランス(WLB)関連の認定制度を活用した評価は一般土木A等級などで2018年度までに全面的に導入する方針で、17年度は試行を各地整まで拡大させる。
また、若手技術者の配置を促す入札契約方式は、各地整が実情に応じて①一定年齢以下の専任技術者を加点評価するタイプⅠ②専任補助者の実績・成績を代わりに評価するタイプⅡ③同種工事の実績について従事役職によらず同等評価するタイプⅢ④一定の年齢以下であることを参加要件に設定するタイプⅣ―を選択・併用して試行している。
15年度に303件実施したタイプⅠは、6割の工事で若手技術者が配置されるなど一定の効果が出ており、参加者からは経験を積ませるために有効との声もある。また、15年度の実施件数が18件だったタイプⅣは、確実に若手技術者を参加させることが可能で成績も同等以上を確保している。そのため、この2タイプは地域における若手技術者の状況などに留意しながら引き続き取り組む。
15年度の実施件数が約6700件と最も多いタイプⅢは、現場代理人、担当技術者の実績により申請した者は少ないが、監理技術者の実績で申請した者と比較して同等以上の成績を有しているため、取り組みを継続する。
タイプⅡは15年度に1647件実施されたが、専任補助者を配置した割合が極めて少なく、参加者から専任補助者を配置する負担が大きいとの声もある。そこで今後は、2人の専任に負担が必要との実情を踏まえて適宜、専任補助者以外の企業のバックアップ体制を評価する方式などの適用も検討していく。
委員からは「地域の建設業では2人を専任で置くことは大変。見直しの方向で検討をお願いしたい」「企業のバックアップ体制の評価と(経験豊富な技術者の)非専任の配置を条件とする方式も含めて柔軟に進めてほしい」などの意見が出た。