見たもん勝ち ～建設業応援団～
【日建協】 課題は適正工期と人員確保／2023時短アンケート
2024/05/10業界動向
建設メール
 |
|
現場からも適正工期を求める声があがる（クリックで拡大）
|
日本建設産業職員労働組合協議会（日建協）は、2023時短アンケートの調査結果をまとめた。時間外労働の削減は進んでいるが、全産業平均と比べると長時間労働が続いている。特に外勤部門の時間外労働が土木、建築共に多く、その要因として工期の逼迫や人員の不足が挙げられている。
アンケートは、建設産業の労働環境などの把握を目的に1972年から毎年11月に実施しているもの。今回は1万9265人の組合員から回答を得た。調査内容は▽労働時間の現状▽休日・休暇の現状▽組合員の意識▽多様な働き方―の4つの分野について。
1カ月の平均時間外労働時間は、36・1時間（前年比4時間減）。特に時間外労働が多いのは、外勤建築で52・1時間（同6・1時間減）、外勤土木は46・6時間（同5・1時間減）。いずれも時間外労働の上限規制対象の1つである「月45時間以上の残業は年6回まで」の要件は満たしていない。
外勤者に対する時間外労働の発生理由は「工程が厳しい」「配置の人員が少ない」「仕事量が多い・仕事が自分に偏っている」の回答が多い結果となった。また外勤者が労働時間を短縮するには「発注者による適正工期の設定」が52・5％と最多。次いで「会社による時短推進の取り組み」（22・9％）、「発注者、設計者ですべき契約外業務の廃止」（同16・6％）となった。
23年の有給休暇平均取得日数は全体で8・4日、内勤者は10日となった。外勤者を職種別に見ると土木7・4日、建築6・5日。22年と比較してそれぞれ約1日増加したものの、全産業平均と比べると約8日少ない。
「建設業に魅力を感じるか」という質問には全体で54・4％（前年比3・5ポイント減）と4年連続で減少した。
仕事で重視していることについては、「仕事そのものの魅力・やりがい」が53・6％と突出。次いで「賃金」29・4％、「労働時間・休日取得」21・9％となっている。
上位3項目について年齢別にみると「仕事そのものの魅力・やりがい」は年齢が高くなるほど重視。一方、年齢が低いほど「賃金」「労働時間・休日取得」を重視する傾向となった。
