見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 終わりなき船旅の寄港先
2024/05/17コラム
日々の栞
▼茨城港は、国内外から訪れるクルーズ船の寄港先として知られ、2024年度は11回の寄港を予定している。コロナ禍で寄港数が落ち込んだ時期もあったが、今では関係者の努力もありコロナ禍前以上の人気を博している。乗客は寄港先を観光し、地元の活況に一役買う
▼クルーズ船の行き先は、世界一周や日本一周、中南米など多種多様だ。どの港でもクルーズ船を受け入れられるわけではなく、しっかりした港湾整備と乗船客が喜ぶ観光地・体験メニューがなければ寄港先に選ばれない
▼港湾整備は、トラック運転手の2024年問題対策にもつながる。船で荷を運ぶことで、運転手の待機時間を減少させようとする動きがあるからだ。国際戦略港湾の東京港、横浜港、川崎港、大坂港、神戸港など国内993港湾は、日本発展に貢献し現代では脱炭素の要となっている。島国だからこそ港湾整備による恩恵は計り知れない
▼クルーズ船旅行は、国家・地域の発展だけでなく、個人の人生を豊かにする側面もある。クルーズ船の旅行者は限られるが、旅行好きな一般庶民は多いだろう。日常で得られない体験を通じ、新たな価値観を得ることは何事にも代え難い
▼人生を船旅に例えると、さまざまな目的地に寄港し時期が来れば次の目的地へ旅立つ終わりなき旅のようだ。大学の上回生が卒業式で「ボン・ボヤージュ（よい旅を！）」と締めたあいさつが脳裏をよぎる。送り出す側の言葉だが、人生が船旅なら旅立つ側も使える言葉ではないだろうか。あなたも私も、次の人生の寄港先や最終目的地はどこだろうか。考えるだけでワクワクが止まらない。（茨城・YM）
