【下水道のICT活用】 4本柱で新たな施策展開
2017/02/02建設時事
建設メール
国土交通省はICTの活用により下水道事業の持続と進化を実践する新たな取り組み「i-Gesuido」を進める。老朽化施設の増加、激甚化する災害への対応など下水道事業が抱える課題に対応するため、①BIM/CIM②ストックマネジメント③水処理革命④雨水管理スマート化2.0―の4本柱を中心に施策を展開し、ICTの普及を着実に進めるとともに、他分野との連携も検討していく考えだ。
計画では、既存の情報通信技術を地方自治体でも積極的に導入できるようガイドラインなど基準類の整備を行うとともに、関係する技術開発の推進により下水道事業でICTの導入を促す。
BIM/CIMは、3次元モデル活用による設計・施工・維持管理の効率化を目指すもので、処理場・ポンプ場への3次元モデルの全面導入に向けて20年度末にガイドラインを策定する。
ストックマネジメントでは、管渠などの維持管理作業の効率性向上へ、20年度末までに維持管理データの整理、データ蓄積方法の検討、点検に必要な技術情報を収集・整理し、広く展開する。
水処理革命では、リアルタイム運転管理データの集約、AI(人工知能)による最適運転の自動化を通じて、省エネや経費削減、処理水質の安定化などを目指す。20年度末までに全ての都道府県で中小市町村の広域管理に関する計画を策定するほか、政令市・中核市などではベンチマーキング手法を活用した集中管理の取り組みの推進、高度処理施設におけるB-DASH技術の導入と二軸管理手法の活用を図る。
また、雨水管理ではIoT、ビッグデータ活用による浸水対策を進める。浸水リスク情報システムや下水道施設運転管理システムの構築、雨水管理情報の集積を、20年度末までに地下街など相当な浸水の恐れがある重点地区で集中実施する。