【建設産業政策会議】 建設業法の適用範囲検討/民間契約まで拡大も
2017/02/08建設時事
建設メール
国土交通省の建設産業政策会議におけるワーキンググループで10年後の建設産業を見据えた法制度・許可の検討が始まった。8日の初会合では、民間建築における民と民との契約まで建設業法の適用範囲が及ぶように検討するべきとの意見があり、今後、民間の契約に行政がどの程度まで介入できるのかを含めて検討していく見通しになった。
冒頭、国交省土地・建設産業局の谷脇暁局長は「請負制度や許可制度に関わるものは建設業法の規定の中で根幹となる。請負契約の射程の範囲は今の建設業の実態との関係ではどうなのか、請負契約の中の規律の仕方なども重要な視点」と述べ、現状と将来を見通した場合の法改正を含めた方向性の検討を要請した。
建設業法について、これから検討する際の視点としては労働人口が減り担い手確保が建設業の重要課題になる中で、建設業従事者の働き方や生産性向上、消費者(エンドユーザー)の保護を意識した制度設計、請負契約に限られない契約形態の規律、一定の競争性は確保しつつも競争に付すべきでない要因を加味した制度設計などが示された。
委員からは「民間の建築で民民の契約関係に建設業法がどう入っていくか。(発注者の特徴などを)深掘りし、利害関係の構造を分析した上で、入っていくことが新しい建設業法の大きな課題」「公共工事の発注者には規律があるが民間工事には全くない。大きな欠落がある」「建設業法は業者のための法律だったが、愛される建設業になるには、市民の要求に対してきめ細かく対応できるようにしてはどうか」などの指摘が出た。
また、建設業法上、「工事」の定義がないことから「どこまでを工事と言うのかという問題は大きい。工事とは何で、工事の実態から何をどこまで保護し、規制するのか決める方がいい」といった意見もあった。