【全建事業計画+記者の眼】 創立70周年を迎えさらなる発展を
2017/02/20記者の目/論説
建設メール
全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は20日、2017年度の事業計画を明らかにした。従来の事業を基本に、新年度では「創立70周年に向けた諸活動の展開」が盛り込まれたことが注目される。
18年3月に創立70周年を迎える同協会では、これを契機に地域建設業が将来にわたって社会的役割を果たしていくための将来展望策定に取り組む方針だ。7月ごろに総合企画委員会の下に専門委員会を設置し、2カ年かけて議論を行い、18年度の総会に合わせてとりまとめる。このほか、記念事業として70年史および関係者のインタビューなどを収録した別冊の制作、記念式典、功労者特別表彰などに向けた準備を進めていく。
今回の事業計画には働き方改革への対応が盛り込まれたことも大きな特徴で、政府の働き方改革実現会議で検討されている実行計画などを踏まえ、協会独自の「働き方改革行動憲章(仮称)」を策定し、ワーク・ライフ・バランスの改善や生産性向上への取り組みを加速化させる。このため政府や発注者側に提言・要望を活発に行っていく方針だ。
〈記者の眼〉
地方の発展なくして、日本の活性化は難しいだろう。その担い手となる地域建設業者はほとんどが中小零細企業で、建設投資が上向きとなっているとはいえ、地域間、大手と中小企業間格差は広がっている。全建が試算した利益率の格差でも大規模と小規模企業では3%強の開きがある。地方建設業の経営という点では事業量の確保は命題になるが、格差を是正し、地方建設業の果たす役割、そして地方建設業でなくてはできない将来ビジョンを議論して、さらなる発展に向けた将来展望を策定することを期待する。