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【複数年工事】 監理技術者の拘束など／課題解決へ議論進める
2024/09/09積算・資格news
国土交通省は近年増加傾向にある河川や道路の複数年契約による維持工事等について、受注者側へのヒアリングで浮かび上がった積算上の費用面、監理技術者の拘束など働き方での課題に対し、検討を進める。監理技術者については制度運用マニュアルに沿って、課題の整理・対応検討を進める。
積算上の課題などについてヒアリングは、関東地方整備局の河川国道事務所発注の河川、道路の維持工事（通年）で、R5-R6、R6-R7の複数年度（2年）の受注者に対して実施。なお、入札は総合評価による一般競争で、全て1者応札だった。
費用面での課題は、積算基準で定める日当たり標準作業量を下回る小規模な作業に対する積算、小規模作業や点在作業に伴う工事の諸経費の扱い（特に応急処理工を含む工事）が挙がった。
働き方に関する課題は、緊急作業における監理技術者の拘束を解消するための技術者の体制確保、連絡体制確保に対する経費の積算上の扱いが挙げられた。他部署への協力は飲酒禁止、遠方への外出を避けるなどの制約があり頼みにくい、緊急作業対応として24時間365日連絡体制を確保しており現場対応を含め複数名の交代制などさらなる緩和をとの声が出ている。
費用面に対しては、一者応札が多く一者の応札額で落札額が決まるため、積算の適正化を含めさらなる適正価格での契約が求められる。また、作業員の作業時間・賃金を含め実態把握を行い、必要な人工や労働条件の実態をきめ細かに確認する必要があるとし、その上で官積算の工事価格と各社の実行予算の乖離状況を確認、積算基準の改善点がないか検討すべきとした。
働き方に関し、監理技術者については運用マニュアルでの規定があり、適切な施工の実施と監理技術者の適切な休息等の確保が可能となるよう必要な検討を進める。
併せて、監理技術者の職務内容に関する実施方法を検討する。河川、道路の維持工事は、巡視工、舗装工、区画線工、清掃工、除草工、応急処理工などが含まれ、監理技術者は全てを対象に技術上の管理、指導監督を担う。
対応案として、技術上の管理や指導管理の実施方法について検討を挙げる。臨場の技術管理・指導監督が必要な工種（舗装工等）、事前の技術管理・指導監督・事後確認で対応可能な工種（落下物等の応急処理工等）の分類ができないか検討する。この検討を踏まえ、特記仕様書で職務内容の範囲を明示することなどの可能性について検討する。
