【社会保険】 見積金額全額を支払う契約増える
2017/02/23建設時事
建設メール
国土交通省が社会保険未加入対策推進協議会に参加する建設業団体所属企業へ行った法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)の活用状況実態調査の結果、標準見積書に関する下請企業への指導が進むとともに、見積書金額全額が支払われたと回答した割合が増加したことが分かった。
下請企業が保険未加入の場合の対応では、未加入のまま選定していると回答した元請企業は12・9%、下請企業の従業員等が未加入の場合に未加入のまま現場への入場を認めていると答えた元請企業は16・5%となり、いずれも前年比で大幅に減っている。
注文者からの標準見積書の提出指示に関しては、ほとんどの工事および5~8割程度の工事で提出指示を受けていると回答した割合は合計54・1%で半数を超えた。下請企業による標準見積書の提出は、ほとんどの工事および5~8割程度の工事で提出している割合が合計で57・9%となり、前年から大幅に改善された。
提出した標準見積書に対する元請企業の反応としては、内訳明示した法定福利費を含む見積金額全額を支払われる契約になったとの回答が54・0%で、初めて半数を超えた。見積総額は減額されたが法定福利費は減額されない契約となった割合は37・1%で、前年比では微増だった。
今回の結果について国交省土地・建設産業局建設市場整備課では、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインに基づく内容がかなり浸透してきた」と評価しながら、まだ対策が十分ではないため、さらなる取り組み浸透に力を入れる考え。
なお、同調査は昨年12月から本年1月にかけて行い、約3100社から回答を得た。