【法定福利費】 見積書作成手順の「簡易版」が完成
2017/02/27建設時事
建設メール
国土交通省は社会保険等未加入対策の一環として本年度に全国10カ所で開いた法定福利費セミナーで使用した教材を基に、法定福利費を内訳明示した見積書作成手順の「簡易版」を作成した。そもそも法定福利費を内訳明示した見積書とは何か、見積書の作成方法が分からないといった基本的なことを理解していない人にも分かりやすいように作成手順を示したもので、国交省ではホームページで公表するなど、広く活用を促していく。
法定福利費の算出には「現場労務費」の算出が必要で、工事に係る労務費は企業ごとの実態に応じた方法で算出する。法定福利費は、労務費に対象となる社会保険の法定保険料率を乗じることで算出できる。法定保険料率は、雇用保険は厚生労働省、健康保険と介護保険は日本年金機構、厚生年金保険と子ども・子育て拠出金は全国健康保険協会の各ホームページで調べることが可能。見積書には見積工事費総額だけでなく、法定福利費額を記載する。
また、下請企業に工事を発注する予定がある場合には下請企業の法定福利費を含めて見積書を作成する。ただし見積書の作成段階では決まっていない場合も多いため、自社で全て施工した場合の法定福利費を計算し、外注した分は下請に支払うことになる。内訳明示する法定福利費分は請負金額の内訳であるため、消費税の対象となる。
国交省では今回の簡易版について「基本的なことがよく分からない人に参考にしてほしい」(建設市場整備課)としている。