【全中建】 国交省へ中小建設企業の声伝える
2017/03/01業界動向
建設メール
全国中小建設業協会(全中建、松井守夫会長)の幹部は1日に国土交通省を訪れ、全国ブロック別意見交換会の結果および人材確保・育成対策等に係るアンケート調査結果を提出した。
全中建では昨年10月~12月にかけて全国7ブロック・8会場で国交省との意見交換を行い、そこで出された意見・要望を集約しまとめた。
公共事業予算の確保など12項目を中心に意見交換が行われ、本年度はi-Construction(アイ・コンストラクション)が新たな項目として加わった。入札契約制度については、「国の施工実績がないと直轄工事に参加できない実態がある。国と都道府県とで工事成績を共有して国の工事へ参加できるようにしてほしい」「直轄工事の下請を担当した工事も実績として評価してほしい」などの要望があった。また積算関係では「交通誘導員の24時間配置を廃止するよう自治体にも指導を」という意見も出た。アイ・コンストラクションに関しては、「コストがかかること、対象となる工事が継続して確保できるかなどを考慮すると中小企業はすぐに対応できない」「ICTを理解していないので講習会や現場見学会を開催してほしい」などの意見や要望が寄せられた。
意見交換会と並行して「人材確保・育成対策などに係る実態調査」を実施。全中建会員団体の傘下企業を対象に、「歩切り」「担い手3法の浸透状況」「新規正社員の採用・離職」などのアンケート調査を行った。
本年度は「採用・離職」について初めて調査を行い、技術者・技能者の採用予定や離職状況が示された。全体では新規採用している企業は4割程度で大半が採用人数は1人にとどまった。6割は採用しておらず、中小企業とっては人材の確保が厳しい現状にあることを浮き彫りにした。年代別でみると、10~20代の採用が目立ってきている一方、離職割合も多い。入社後3年以内で約6割が離職するなど中小建設業の人材確保は厳しい状況にあり、魅力ある産業へ向けた取り組みが急がれる。