【ICT導入】 港湾の浚渫工は17年度から試行工事
2017/03/06建設時事
建設メール
港湾分野でのICT導入を目指す国土交通省は、初期の取り組みとして2017年度から浚渫工でICTを活用した試行工事を実施する。6日に開いた検討委員会で浚渫工を対象としたICT活用のための新基準や実施方針のとりまとめを行った。浚渫工では試行工事の結果を踏まえて基準類を精査・検証する。
浚渫工の対象工種はポンプ、グラブ、硬土盤、岩盤、バックホウの各浚渫工(レベル3工種)。発注方式は発注者指定型と施工者希望型のいずれかで、ICT活用の計画について工事成績評定で評価を行う。
また、浚渫工以外に関しては、防波堤や岸壁等の工事に共通する基礎工、本体工などを対象として、17年度に基準類策定のためのモデル工事を実施するほか、マルチビームによる出来形確認を進め、18年度の基準類策定につなげる考えだ。
さらに17年度からはCIM導入ガイドラインの整備に向けたCIMモデルの作成仕様の検討や、ICTの活用・提案、支援に伴う人材育成のための研修・説明会の実施も計画している。
将来的には港湾工事における全工程で3次元データを一貫して利用することを目指す。測量では陸上でUAV、レーザースキャナ、海中はマルチビームなどを用いて3次元測量による現況調査を行う。設計は数量計算、構造設計の効率化・自動化を図りながら3次元設計データを作成する。施工では海中での施工状況の可視化、基礎工材料投入やブロック等据付の高度化・効率化、潜水士作業の効率化・省力化などを計画している。