【週休2日拡大へ】 適正な工期設定、必要経費支払いを
2017/03/15建設時事
建設メール
国土交通省は2017年度から適正な工期設定、週休2日を考慮した間接工事費の改定、日給労働者の収入減少への対応を通じて、週休2日取得の取り組みを拡大する方針を、14日開催の発注者責任に関する有識者懇談会で示した。注目は工期設定に際して歩掛の日当たり施工量をもとに工種ごとの所要日数を自動的に算出する「工期設定支援システム」の作成で、直轄工事では維持工事を除く原則全ての工事に使用することで適正な工期を確保する。同システムの適用により原則週休2日の工期設定が可能になる。
また、工事着手準備期間・後片付け期間の見直し、工事工程の受発注者間の共有、余裕期間制度など条件整備も進めたことから、各取り組みを活用することで17年度は週休2日による工事発注を推進する。さらに工期設定支援システムの提供を含めて地方自治体にも普及させることで、公共工事全般への展開も図る。
費用増加への対応では、週休2日で施工する場合に現状よりも工期が長くなり、安全施設類や現場事務所のリース料などの経費がかさむため、週休2日を実施した場合は、実施期間に応じて工期日数の延長に要する経費として共通仮設費、現場管理費の率を補正する。13年度から15年度に竣工した工事を解析した結果、補正率は共通仮設費で0・21%増、現場管理費で1・07%増となる。後精算での対応を想定している。
日給労働者の収入減少への対応では、低入札価格調査基準の見直し、施工時期の平準化を進める。週休2日モデル工事の実施企業への聞き取り調査によると、日給労働者に対して休日補償や給与を増やした企業は全体の1割未満だった。そのため週休2日など休日を増やした場合の労務費積算の在り方については実態調査を継続し、引き続き検討していく。
今後は全工事で週休2日の導入は可能になるが、完成・供用時期の明示による工期調整、天候不良に伴う工期遅延など週休2日の実行工期は個々の工事で受発注者の調整が必要となる見通しだ。