【i-Bridge】 橋梁事業の全工程でICT活用を
2017/03/24建設時事
建設メール
国土交通省は橋梁事業の生産性と安全性の大幅な向上を図るため、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理までのあらゆる工程でICTを活用するi-Bridge(アイ・ブリッジ)の取り組みに着手する。2017年度からは技術提案・交渉方式(ECI)の活用により、設計段階から施工者が関与し、工場製作や現場施工に必要な3次元データの作成方法を標準化するため、各地方整備局で1件発注する考え。また、橋梁の変位などをセンサーによりモニタリングする技術を熊本震災復興事業の橋梁に導入する。
3次元による設計・施工計画では、CIMによる3次元データでの設計、3次元モデルでの干渉チェック等の詳細確認を行い、維持管理面の配慮を設計段階から行うほか、周辺構造物の3次元情報を反映させることで、より円滑で安全性が高い施工計画を立案する。
鋼橋の場合は工場製作のロボット化や仮組立のシミュレーション化により生産性を向上させる。
PC橋の場合は現場ごとの一品生産、部分別最適設計となり、工期や品質の面で優位な技術の採用が困難であるため、部材の規格を標準化することで、プレキャスト製品やプレハブ鉄筋などの工場製作化を進め、生産性向上を目指す。
現場施工では、GNSS・自動追尾トータルステーション、レーザーセンサ、超音波センサ、傾斜センサによる監視、モニターカメラを使った死角作業の安全確認などでICT技術を活用する。安全性向上の効果を整理した上で17年度以降、技術基準類に反映していく。
検査・納品はレーザースキャナを用いた出来形管理等により検査の省力化を図る。
また、維持管理の効率化では、高度な補修・補強を行った場合にICTを活用し、対策が目的どおりの効果を発揮しているかどうか確認する。