【企業評価】 経審で生産性向上、地域貢献を適正評価へ
2017/04/28建設時事
建設メール
建設産業政策会議の第3回企業評価ワーキンググループが28日に開かれ、国土交通省が企業評価制度見直しの方向性を示した。10年後を見据えた経営事項審査(経審)の評価項目については、生産性向上や働き方改革に積極的に取り組む企業、「地域の守り手」としての役割を果たしている企業が適正に評価される仕組みを検討していく。
地域貢献に関する評価では、社会性項目(W点)のうち防災活動への貢献状況で加点幅を拡大する。建設機械の保有状況では加点方法を変更し、1台当たりの点数や上限点数を変更することに加え、少数でも建機を保有しようとする企業の努力を後押しするため、初めの数台の加点幅を強化することで小規模企業が借り入れによって建機に投資する場合に生じる経営状況項目(Y点)へのマイナス効果を減らす。
インフラの維持や除雪の評価も見直し、例えば役務提供として実施した維持や除雪を含む土木一式の完成工事高と、含まない完成工事高を経審結果に併記できるような措置を検討する。
生産性向上に関する評価では、企業における生産性を図る指標を評価項目として設定するほか、ICT建機の保有状況や電子商取引の導入状況などをW点で評価することを視野に入れる。
働き方に関する評価では、社会保険加入や長時間労働是正などに取り組む企業がより高く評価されるような仕組みとする方向で検討する。
経審の申請手続きについては、電子申請化に加え、工事経歴書に記載する工事範囲や技術職員名簿の確認書類の提出を削減するなど簡素化を図り、申請者と許可行政庁双方の負担軽減を目指す。
また、経審のみでランク分けを行っている公共発注者に対しては、企業を評価するための経審、競争参加資格審査、総合評価の各段階における役割が異なることを再度周知した上で、地域特性に応じて地域の建設企業が適切に評価されるよう、発注者別評価の導入を推奨する見通しだ。
そのほか、専門工事業者を専門工事業の特性を踏まえた指標に基づき評価する仕組みの試行的導入や、民間工事の発注者が適切な施工能力等を有する企業を選定できるように、許可申請の電子化と併せて建設企業が提出する工事経歴書や財務諸表等の書類をインターネット上で公開し、広く閲覧できることも検討する。