いまの課題を切り取る⑧ 改正品確法から4カ月-程遠い「歩切り」廃絶
2015/09/01特集企画/PR
建設メール
新潟県建設業協会の本間達郎会長はことし、改正品確法について期待感を表明するとともに、「協会としても検証し関係機関に要望していく」姿勢を示した。運用指針が〃掛け声〃だけにならないよう目を光らせ、運用指針の大切さを訴えた。また、建設コンサルタント協会も、プロポーザルの予定価格の設定について、国との意見交換会で「期待したほどの価格が上昇していないのではないか」との意見を挙げた。
新潟建設業協会が会員に対し調査した結果、改正品確法の「必ず実施すべき事項」の中では、要望の多い項目として歩切りの根絶などを挙げている。北陸地方整備局が中心となり新潟県や北陸3県の自治体で組織する、北陸ブロック発注者協議会は昨年度の取り組み状況を調査。歩切りの廃止については7機関で実施、昨年度の目標より上回る結果となった。しかし未だに廃止していない自治体もあることから、未実施機関に対し「実態を確認しながら理解してもらうよう働きかける」(協議会)としている。しかし早急にすべての機関で廃止となると、まだ相当に期間が必要とみられる。
一方、建設コンサルタント協会は、先に行われた北陸地方整備局との意見交換会で、業務費用が2年前に比べ約15%上がっているが、積算基準がはっきりしていないプロポーザルの業務ではそこまで上がっていると感じてはいないとする意見を提出した。「予定価格の設定が発注者の予算の範囲内でおさまるよう設定しているのでは」と積算基準のあいまいさを指摘した。これに対し、北陸整備局側は「今後分析していく」とした。
改正法運用開始から4カ月。歩切りの廃絶など着実に改善しているものの、法律に従い劇的に改善することは難しいかもしれない。しかし、発注者が運用に従い確実に実施することが必要。建設業協会が行う検証と、必要に応じて関係機関に要望していくことが何よりも大事である。