【骨太の方針案】 社会資本整備は成長力強化の分野に重点
2017/06/06建設時事
建設メール
政府の経済財政諮問会議で示された「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針)の素案では、成長力を強化する公的投資への重点化が盛り込まれた。社会資本整備については、既存施設の最大限の活用を図りつつ、国土強靭化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの成長力を強化する分野に重点化し、ストック効果が最大限発揮されるよう安定的・持続的な公共投資を推進しながら戦略的な取り組みを進めるとした。
また、新規投資の費用便益分析を徹底し、民間投資の誘発効果などストック効果の高い事業への一層の重点化を図りつつ、他の整備手法との比較検証や民間資金の活用など公的負担の最小化により、社会資本の投資効率を向上させる。さらに施工効率を高めるi-Construction(アイ・コンストラクション)の取り組みの地方自治体への展開、幅広い工種や維持管理等への拡大を進めるほか、適正な工期設定、施工時期の平準化を通じて週休2日の実現や長時間労働の是正などの働き方改革を進める見通し。
6日の閣議後会見で石井啓一国土交通大臣は「生産性向上を通じて力強く持続的な経済成長を牽引する社会資本の重点的な整備が必要で、計画的推進のために安定的・持続的な公共投資の確保が不可欠という考え方を説明してきた。素案では、こうした社会資本整備に関する基本的な考え方が位置付けられた」とした上で、アイ・コンストラクションの推進や既存住宅・リフォーム市場の活性化など「私どもが責任を持って進めなければいけない施策が数多く盛り込まれている」と説明。今後、閣議決定される骨太の方針2017を踏まえ、しっかりと取り組みを進める考えを示した。