【建コン】 納期平準化が課題解消につながる/村田和夫新会長インタビュー
2017/06/09インタビュー
建設メール
建設コンサルタンツ協会の新会長に就任した村田和夫氏(建設技術研究所社長)は、「1989年に策定されたATI構想※を再確認し、それを基本に進めていきたい」と就任の抱負を語る。
各業界・企業でも課題となっている担い手不足については、「非常に重要な問題。これからは高齢者の働き方なども重要になる」とした上で、「働き方改革は発注者だけではなく、われわれも努力しなければならない」と相互で取り組むことが必要だと強調する。
また、ICTなどの新技術の対応では、「活用をするところまで協会が追いついていない」としながら、「納期の平準化が進めば、コスト削減や品質の向上、長時間労働の軽減といった課題が解消され、ICTなどの新技術導入が進み、それが時間短縮やリスクの軽減などにつながっていくのではないか」と述べる。さらに「設計ストックが少なくなっている。今後、安定的な業務量を確保するために再開発や維持管理業務、CMなどの新しい業務に対し、どういった役割が持てるのか考えていく必要がある」と課題を指摘した。
技術者の報酬問題にも触れ、「積み上げ方式の積算だけではなく、どういった業務がどれだけの報酬で適正なのか、そういったことも見直すべき」との考えを示す。
今後は、「自立したコンサルタントとして、誰が何を求めているか、社会的な役割をしっかりとこなし、自分達がどのように関わっていくのかを考えていくべき」とし、建設コンサルタントが社会に求められているものを模索していくことが重要だと話した。
※ATI構想
建設コンサルタントの知的産業としてのプロフェッショナルアイデンティティの確立とその健全な発展を目標として、3つの基本的立場と、8項目からなる業界の自助努力と振興策を示したもの。