【今後の道路施策】 予防保全前提に予算確保を
2017/06/21建設時事
建設メール
今後の道路施策を検討している国土交通省の社会資本整備審議会・道路分科会が具体的提案を含めた建議の素案を固めた。注目は、これから加速的に増加する老朽インフラへの対応で、「メンテナンスのセカンドステージへ」と題して、予防保全を前提としたメンテナンスの計画的な実施や、新技術の導入による長寿命化・コスト縮減、橋梁等の集約化・撤去による管理施設数の削減、適正な予算等の確保、地方への国による技術支援の充実などが必要とした。
特に予算確保に関しては、将来のメンテナンス費用を予測し、予防保全型の管理や新技術の導入等により、増大が予想される維持管理・更新費用を低減させるとともに、各道路管理者が適切な管理を持続的に実施するために必要な予算を安定的に確保する方策を検討すべきと提言している。予算の確保に当たっては、構造物や占用物件の老朽化の現状、メンテナンス活動などの「見える化」を充実させて、道路インフラの実情を広く国民や利用者と共有する必要があることを示した。
建議案では、建設後50年を超える橋梁の9割、トンネルの8割は地方自治体が管理しており、適切な維持管理を怠れば将来必要となる更新費が急増し、地方財政を急激に圧迫することで真に必要な投資さえできなくなる恐れがあると指摘。また、老朽化施設の修繕・更新に当たっては、単なる現状復旧にとどまらず、施設の集約化も視野に入れつつ、防災・耐震性能や事故を防ぐための安全性能の向上など施設の質的向上を図ることも求めている。