【キャリアアップシステム】 来年10月から先行運用開始へ
2017/06/30建設時事
建設メール
建設キャリアアップシステムを利用する団体を中心に構成する運営協議会の第1回総会が30日に開かれ、システム開発業者の決定に伴い2018年9月までに開発を終え、10月からの先行運用、19年4月の本運用となるスケジュールが確定したことが報告された。また、運用ルール検討分科会を設置して基本設計が完了する9月までに利用料金体系を固め、遅くとも年内には技能者のシステム登録料と事業者のシステム登録料・利用料の額を決める見通しだ。18年度から先行登録に入る。
同システムでは技能者が自らの技能や経験に応じて適正な評価・処遇が受けられるように、業界統一のルールで就業実績や資格などを蓄積する。技能者一人一人に固有のIDを与えることで所属する事業者の変更や再入職した場合でも継続して就業履歴が客観的に蓄積されるため、就業履歴と保有資格・研修受講実績などを組み合わせた「技能者の能力評価基準」の策定が可能になる。併せて同基準と連動した「専門工事業者の施工力の見える化」の実現を目指して、国土交通省では職人を育て、良い職人を多く抱える専門工事業者が高く評価される仕組みの構築に乗り出す。
システムの普及に向けては、国交省を中心に会議の場やシンポジウム、説明会の開催など、さまざまな機会を通じて国や地方自治体、事業者等の発注機関、関係団体、技能者、ゼネコンおよび協力会社などに対して周知・普及を図る。加えて円滑な稼動につなげるため、窓口業務の担当者向け研修や説明会を開いて具体的な利用手順を周知する予定だ。
委員からは、現場が利用しやすい料金体系や周知・普及の徹底を求める意見が多く出た。また、「導入に弾みを付けるために公共工事の現場で積極的に導入することが必要」との指摘もあった。
なお、システムの運用主体となる建設業振興基金では専用ホームページを開設しており、システムの概要を説明した動画の掲載も始めている。