【建築施工管理技術検定+記者の眼】 初の前期2級学科試験で合格者決まる
2017/07/14記者の目/論説
建設メール
建設業振興基金は14日、2017年度の2級建築施工管理技術検定学科試験(前期)の実施結果を公表した。2級学科試験の年2回化に伴う初の試験になった今回は、2935人が受験、1247人が合格し、合格率は42・5%だった。合格者の半分以上は29歳以下が占めており、約63%が建設業従事者となった。男女比は男性が約85%、女性が約15%で、比較的女性の占める割合が高い。
例年11月に行われている同試験は学生が約9割を占める中、今回は社会人が約8割を占めた。試験地が全国10地区と少なかったことや種別を建築に限定したことに加え、11月の試験に向けて勉強させている工業高校が多いことなどが要因として考えられる。ただし今回の試験で高校生は547人が受験し、180人が合格している。前期試験に合格した3年生は、7月から解禁となった高校生への求人募集で保有資格を履歴書に書くことができるため、早期受験に挑戦させる学校が出始めたようだ。
なお、詳細は振興基金ホームページ(http://www.fcip-shiken.jp/)を参照。
〈記者の眼〉
初の前期試験で社会人の受験者が多かったということは、裏を返せば現場監督等として既に働いている人でも2級建築施工管理技術検定を取ろうと考える人が増えたともいえる。2級学科試験の年2回化により、忙しい合間を縫って勉強しなければならない社会人にとって、半年に1度は受験する機会が訪れることの意味は大きい。近年は大学卒業者の2級受験者が増加傾向にあり、大卒者でも1級受験の前に2級を受験する流れが進むと予想される。1級学科試験の早期受験化に向けた要件緩和に伴い、今後も1級合格への足掛かりとして、2級取得のさらなる促進が期待される。