【日建連】 9月に時間外労働で自主規制試行
2017/07/26業界動向
建設メール
日本建設業連合会(日建連)は26日、理事会後の記者会見で、時間外労働の適正化に向けた自主規制の施行について基準を設け、9月から試行することを明らかにした。加えて「働き方改革推進」の基本方針についても、当面の取り組み課題などを8月中に協議し、9月に全体像を取りまとめる考えを示した。
記者会見の冒頭、山内隆司会長は、今年3月に大成建設施工による新国立競技場建設工事で、下請工事会社社員が過労自殺したとされる問題に触れ、日建連会長会社として、また建設現場の統括管理責任を負う元請企業として深く陳謝した。その上で今回の事態を深刻に受け止め、今回の時間外労働の適正化に向けた自主規制を実施する事になった経緯を説明した。
自主規制に当たっては、専門工事業界、労働組合、協力会社などから意見を聞き、時間外労働の上限について、段階的に強化する基準を設定し9月を目途に試行する。実施に当たっては、会員企業にとどまらず、協力会社、下請企業、労働者を巻き込んだ動きにする意向だ。
「働き方改革推進」の基本方針については、検討課題も多く、各担当委員会で詳細を検討するが、その基礎となる大枠をまとめる。
検討項目は▽長時間労働の是正等▽建設技能者の処遇改善▽生産性の向上▽下請取引の改善▽けんせつ小町の活躍推進▽子育て・介護と仕事の両立▽建設技能者のキャリアアップの促進▽同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善▽多様な人材の活用―など。