【ICT土工の作業時間】 平均28・3%の削減効果あり
2017/08/02建設時事
建設メール
国土交通省が昨年度のICT土工受注者を対象に実施した活用効果に関する調査結果がまとまり、起工測量から完成検査までの一連の延べ作業時間について平均で28・3%の削減効果がみられたことが分かった。従来施工に比べて特に施工時間の大幅短縮が図られている。
満足度に関しては3次元起工測量、ICT施工、出来形管理について9割以上、帳票作成の省力化については8割以上が、著しい効果または期待していた以上の効果が得られたと評価している。
延べ時間削減効果と施工土量との関係では、「ICTバックホウ掘削整形が主となる切土現場」と「ICTブル敷ならし・ICTバックホウ整形が主となる盛土現場」は、いずれも約3割の施工時間縮減を達成した。また、小規模、大規模にかかわらず、おおむね施工時間の短縮効果が得られた。
一方で従来手法よりも時間がかかった場合の理由では、ICT施工の経験不足や現場条件によるものが目立った。
実施体制のうち、起工測量は3次元測量を自社で行っていたのは9%にとどまる。UAVやレーザースキャナなどの機器を自社保有している社は34%、点群データの処理等を自社で行っているのは15%だった。起工測量の外注先は測量会社が36%、コンサル会社が16%、残り48%はレンタル会社となった。
ICT土工用の3次元設計データ作成を自社で実施したのは28%。外注先の59%はレンタル会社で、測量会社が29%、コンサル会社は12%に。
出来形計測作業を自社で行ったのは27%だった。外注先はレンタル会社が55%で最も多く、測量会社が34%、コンサル会社が11%と続いた。
間接費に関するコスト構造分析によると、3次元出来形管理等の費用は、少なくとも点群データ処理以降の作業を自社化することで、追加的費用を半減させることができるという結果になった。
ICT活用の効果が高かった好事例としては、近接する工事箇所で施工日程管理を行い、1台のMCグレーダを日当たりで使用する例や、基地局を共有化することで費用負担低減を図った事例が出ている。