【入札契約調査+記者の眼】 週休2日確保の導入状況確認も
2017/08/04記者の目/論説
建設メール
入札契約適正化法に基づき国土交通・総務・財務省が行う本年度の入札契約手続き実施状況調査が始まった。今回は働き方改革実行計画や建設業の処遇改善などに向けた対策を踏まえて、社会保険等加入対策、週休2日制の導入、適正な予定価格設定の取り組み状況などの設問を一部拡充した。また、一者応札への対応や発注状況についても今回から確認することにした。
同調査は中央省庁、特殊法人、地方自治体など1931団体から2017年3月31日時点の取り組み状況を答えてもらうもので、9月1日が回答期限。早ければ本年度下期のブロック監理課長等会議に結果を報告する。
主な変更点としては、社会保険の関係で2次以下の下請業者で未加入業者が確認された場合の対応や、許可行政庁への通報時期も調べる。
週休2日の確保に関しては回答欄を増やし、土日閉所する完全週休2日や、週休2日モデル工事の実施と検討状況、モデル工事実施を取りやめた場合にはその理由を問う。週休2日の実施に伴う間接費を補正していれば、係数等の補正内容も回答してもらう。
適正な予定価格の設定では、最新の積算基準の適用状況と基準範囲外の際の対応状況、積算における事業主負担分の法定福利費の計上、資材単価の更新頻度の回答項目を細かく分類するなど、より適切な実態把握につなげる考えだ。
〈記者の眼〉
本年度の調査では地域の産業振興計画の策定状況に関する設問も登場した。これは建設産業政策会議の提言のうち、地域建設業と市町村との連携強化の中で打ち出されたもので、調査を通じて建設業を含む産業振興計画または建設産業に焦点を当てた振興計画の策定状況を把握することができる。現状では建設産業向けの振興計画を策定している市町村は少ない。ただし今後は地域防災の観点だけでなく、市町村がより主体的に地域建設業の振興や発展を考える仕組みが求められる。都道府県や先行する市町村の事例を参考に、地域の実情に見合った建設産業のための振興計画策定が、より一層進むことを期待したい。