【関東整備局】 斜め堆砂対応目的にダム計画策定の手引き作成
2017/08/08建設時事
建設メール
関東地方整備局は管理ダムなどにおける斜め堆砂に対応するため、ダム計画策定の手引き案(仮称)を作成する。また、気候変動に伴うダム流入量の変化を踏まえ、ダム設計洪水流量の設定に用いる地域係数の見直しなどを想定している。
水平に堆砂することを見込んで設計したダムにおいて、最低水位より上に斜め堆砂が発生すると、治水・利水のための有効貯水容量が減少し、ダムの補給機能などに支障が生じる場合がある。
さらに、当初計画の堆砂容量内に堆砂しなければ死水容量を治水・利水容量として活用することも考えられる一方で、例えば放流管が最低水位の高さに設置されている場合、死水容量内の水を利用することはできない。
これまでに蓄積されたデータなどを活用し、将来的な斜め堆砂の形状を推定し、管理ダムについて、ダムの形状・規模・形式などに応じた放流施設の改良や治水・利水・死水容量の計画水位の見直しなどに関する対応方策を検討し、ダム計画策定の手引き案としてまとめる。
また、近年の気候変動などを勘案し、河川管理施設等構造令に定義されているダム設計洪水流量を算定するためのクリーガ曲線(ダム建設・改築地点に発生すると認められる洪水流量の算定式)における地域係数・地域区分について、変更も視野に精査する。
手引き案取りまとめと地域係数見直しに伴う検討業務はダム技術センター(台東区)が担当しており、2018年2月末までに完了する。