〈耳寄り〉 1級土木施工管理技術検定受験は40歳以上の意欲衰えず
2017/08/23コラム
建設メール
総合資格学院を運営する総合資格(東京都新宿区)は、今月16日に合格者が発表された2017年度の1級土木施工管理技術検定学科試験の分析結果を示した。今回の合格者・合格率は過去10年間で2番目に高い数値となった。
また、40代の合格者が前年度比2・9%増、50歳以上の割合は同比1・3%増で、40歳以上の合格者の増加が続いている。背景には国や企業による強い資格取得推進や2級土木施工管理技士が1級を目指す流れがある。同社では「これまで1級の受験要件を満たしながら資格を保有していなかった40歳以上の層が、資格取得に向けて動いたと考えられる」とし、40歳以上の合格者が全体の4割以上を占める傾向は「業界の潮流として続く」とみている。
試験の出題傾向としては難易度の高い出題が目立ち、「理解を伴った知識を習得せず、過去問を暗記する程度の準備で臨んだ受験生は、言い回しを変えた問題などで取りこぼしが多かったと推察される」とした。
一方で、25~29歳の合格者は前年度比1・0%減、30~39歳が同比3・1%減と減少傾向が続き、いずれも直近5年では最低値だった。最近では受験要件が緩和されるなど、制度面から受験資格保有者を拡大する取り組みが行われているが、同社では「大幅な受験者増加につながるには、しばらく時間が掛かる」と分析する。
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今回の試験では女性技術者の合格者比率が、統計の残っている03年度以降で初めて5%を超えるとともに、12年振りに1000人を超える1136人が合格した。また、2級の学科試験は本年度から年2回化が実現し、高校生だけでなく社会人も受験しやすい環境が整った。今後も良い流れを継続するとともに、多くの合格者を生み出すために、まずは2級を含めて年齢・性別を問わず受験に挑戦しようとする人を増やす取り組みが重要になるだろう。