【群馬発】 群建協が全国初のICT土工研修を開始
2017/09/11業界動向
建設メール
群馬県建設業協会(青柳剛会長)は6日、沼田市利根町にある利根沼田テクノアカデミードローン技能訓練校で「i-Construction対応ICT土工研修」を始めた。地域の建設業協会が主体となって、起工測量からICT施工、出来形管理までの全工程における実践的な訓練を実施するのは全国初となる。県内各地から17人が参加し、10月6日までに全5回の研修を受ける。来賓として国土交通省関東地方整備局の東川直正企画部長や県県土整備部の清野哲哉技監らが駆けつけ研修のようすを見学した。
青柳会長は「現場で働く技術者が実際の業務に当たりながらも身近な県内の研修施設でスキルアップを図っていければ技術はどんどん定着していく。この地域密着型の群馬モデルが他県にまで広がっていくことを期待している」と話した。
東川部長は「災害が発生した際に地元建設業がなければ復旧・復興は立ちゆかない。しかし、担い手確保の問題など大きな課題があり、その解決にはICT活用など生産性の向上が欠かせない。今回の改修はICT土工の全行程が学べる貴重な講習となる」と激励した。
清野技監は「新しい技術であるICTの導入のためには、技術習得の場が不可欠。県においてもICT工事の普及は課題であり、この講習はうってつけであると考えている」と話した。
研修は、日本マルチメディア・エクイップメント(東京都千代田区)がとりまとめを行っており、3つのセッションに分かれている。6日はセッション1として施工技術総合研究所(静岡県富士市)の岩渕裕主任研究員とシーティーエス(長野県上田市)の小林光i-Construction推進部長が講師を務めて各工程の手順など座学を中心に実施。研修後、セッション1のみ受講の2人に修了証とCPDS8ユニット分の証明書が青柳会長から手渡された。
今後、セッション2は「起工測量と3次元モデル設計」をテーマにUAVの操作実習や2次元データから3次元施工図を作成する実習などを21日と22日の2日間に分けて実施する。セッション3は「ICT施工と出来形管理」。実際のICT建機を利用しながら10月5日と6日の2日間で行う。