【関東整備局インタビュー】 総務部長 岸毅明氏「官民連携で課題に対応」
2017/09/25インタビュー
建設メール
関東地方整備局の岸毅明総務部長は就任インタビューで、公正・透明な入札契約を基本に据えながら、担い手確保・育成や生産性向上の取り組みに力を注ぐ方針を示した。また、業務遂行に当たり、建設企業を不可欠なパートナーと捉えており、官民連携によって業界を取り巻く課題に対応したいとの姿勢を見せる。
関東地方の印象は「国土全体の1割ほどの面積に、およそ4割の人口・経済が集積し、日本の活力を支えている。また、1都8県はさまざまな歴史、文化、気候、風土を有している。成長エンジンと多様性を併せ持っているのが特徴」と感じている。
日々の仕事に関しては「関東地方整備局は首都圏の社会資本整備や防災・減災などの重要な役割を担っている。整備局の一員として、やりがいと緊張を感じながら業務に当たっている」という。
入札契約については「公正・透明でなくてはならない。健全な競争を促すことが基本であり、大原則」と考えている。具体的な取り組みとして「総合評価落札方式における施工能力評価型と技術提案評価型の二極化を定着させる。さらに、入札契約制度によって、担い手の確保・育成や生産性の向上などに対応していきたい」と力を込めた。
働き方改革は「業界・業種を問わない課題になっている。整備局内部ではワーク・ライフ・バランスの推進に力を入れている。また、業務の簡素化・合理化は建設企業の皆さまに仕事をお願いする中でも気に掛けなければならない」との考えを示した。
コンプライアンスに関して「職員一人一人が地道に努力をしていったとしても、少しの不注意などで組織としての信用が大きく失墜する。常にしっかりと頭に入れて仕事をしていかなければならない」と気を引き締めた。
建設企業に対しては「関東にとどまらず、各整備局が業務を行う上で欠くことのできない、きわめて重要なパートナー」との印象を抱いている。関東に限っては「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みや、首都直下地震などの課題対応においても建設業の果たす役割が欠かせない」との見解を示した。加えて「16年度に地域インフラサポートプラン関東2016を策定し、地域の建設業を支援している。今後も官民が連携し、課題解決に取り組んでいきたい」との展望を述べた。
【略歴】きし・たけあき
1989年東京大学法学部卒業、建設省入省。福岡県企画振興部交通対策課長、住友林業総務部コンプライアンスグループマネージャー、九州地方整備局建政部長、国土交通省本省大臣官房地方課長などを経て、本年7月から現職。世田谷区出身、51歳。趣味はウォーキング。