【施工管理技術検定+記者の眼】 2級学科試験は全種目で年2回化へ
2017/10/24記者の目/論説
建設メール
国土交通省は、施工管理技術検定の一部種目で本年度から先行的に実施している2級学科試験の年2回化について、2018年度から全6種目に拡大することを決めた。従来の種別「土木」と種別「建築」に加えて、「電気工事」「管工事」「造園」「建設機械」でも2級学科試験を年に2回実施することで受験機会を増やし、若者を中心とした担い手確保につなげる考え。
1回目の学科試験は、いずれも3月ごろの申込受付、6月の試験、7月または8月の合格発表を予定する。建設機械を除く5種目の2回目の学科のみ試験は7月ごろの申込受付、10月または11月に試験を行い、翌年1月に合格者を発表する。建設機械では、2回目の学科試験は10月ごろの申込受付、翌年1月の試験、同年3月の合格発表となる=添付のエクセル表参照=。
19年度以降も、18年度と同様の日程で2級技術検定を行う見通しだ。
また、2級建築施工管理技術検定に関しては現在、学科試験の種別統合に向けた建設業法施行令の一部改正手続き中で、改正後には「建築」「躯体」「仕上げ」の3種別を共通の試験として実施する予定となっている。
2級学科試験の受験者数は早期受験化の効果もあって近年は増加傾向にあるため、国交省では全種目での年2回化を通じて、さらなる受験者数の増加に期待を寄せている。
なお、受験手数料は据え置きとなるが、年2回化に当たり追加費用が発生することから、効率的な実施に努めつつ、今後、受験者数等を踏まえた見直しを検討していく。
〈記者の眼〉
本年度から土木と建築の一部で始まった2級学科試験の年2回化が早くも来年から全種目で行われる。6月の技術者制度検討会からの提言に盛り込まれていたとはいえ、異例の速さだ。試験機関の理解と協力がなければできない対応であり、高校生をはじめとする担い手確保に向けて、早期の実施が必要と判断した結果だろう。先行する建築は「学科のみ試験」の年間受験予定者数が前年度比で約1・5倍となり、初めて1万人を超えるなど早速効果が出ている。今後、担い手確保の入口としって、新たに加わる4職種でも同様の効果が大いに期待される。