【キャリアアップシステム】 技能者の能力評価へ検討始まる
2017/11/13建設時事
建設メール
国土交通省は建設キャリアアップシステムを活用した建設技能者の能力評価の在り方に関する検討会の初会合を13日に開き、来年秋のシステム運用開始を見据えながら、年度内に中間取りまとめを行う方向性を示した。
同システムによって業界統一のルールで蓄積される建設技能者の就業履歴や保有資格などの情報を活用し、個々の技能者の知識や技能と組み合わせた「能力評価基準」を策定する考え。同基準に基づく評価の枠組みを構築し、レベルに応じてキャリアアップカードを色分けすることで、技能者の技能や経験に応じた処遇を実現するための環境整備を行う。
さらに、基準と連動した専門工事企業の施工能力の「見える化」を進め、良い職人を育て、雇用する専門工事業者が選ばれる環境も整える方針で、2019年度からシステムを活用した技能者・専門工事業者の評価制度の運用を開始する見通しだ。
先行して進める技能者の能力評価検討に当たっては、客観性の確保、技能者のレベル分けの方法、大きなコストがかからない評価、業種により大きな差が生じない評価制度が論点となる。個々の技能者の具体的な賃金などは雇用する事業者が決めるものという前提で、職種ごとに技能者の能力を測る物差しとなるような評価制度を想定している。
検討会は、学識経験者や元請けおよび専門工事などの関係団体で構成する。初会合では諸外国における能力評価制度や国内の建設技能者に関する資格制度の概要などが説明された。委員からは、「建設市場で受け入れられる制度とするため、業界の意見をよく聞く必要がある」「多能工の評価をどうするのか」などの意見が出た。