【秋季土木部長会議】 週休2日工事は地域差あり
2017/12/06建設時事
建設メール
国土交通省が10月から11月にかけて全国8ブロックで開催した本年度の秋季地方ブロック土木部長等会議では、建設現場の働き方改革やi-Constructionの推進、発注行政の業務改善、インフラメンテナンスと国土強靭化の推進を議題に意見を交わした。働き方改革の関係では、都道府県・政令市の35団体が実施している週休2日工事について、地域の事情により取り組みに差が出ていることが分かった。
例えば、地方の観光地では地元から土日も工事を行って早く終わらせるべきとの意見があり、やりたくてもできない場合がある一方、都市部の観光地では土日に工事ができないため、必然的に週休2日になった例があった。また、諸経費について工期の実態・実績に応じた設計変更を求める声が業者から寄せられたほか、日給月給の技能者に対して支払う仕組みが課題とされた。
ICT土工に関しては、都道府県・政令市の45団体で約480件を対象工事に設定し、一部団体ではICT舗装工、浚渫工も実施するなど取り組みが着実に進んでいる。ただし、ICT建機の調達量、初期投資が課題で月単位のリース期間と日単位の積算期間で不整合が生じていること、小規模工事における建機導入費用や3次元出来高管理の費用負担の増加などが課題となっている。
発注業務の改善では、電子納品のデータベースへの格納率が都道府県で約5割、政令市で約7割という実態が明らかになった。書類の簡素化に向けては、長崎県が一部の市との間で工事関係書類の様式統一化を図っていることを紹介するなど、先進的な取り組みが進みつつあることが分かった。
他にも将来の事業の見通しを地域に提示できるように国土強靭化計画における事業量等の「見える化」や、インフラメンテナンスに伴う点検結果や健全度などの各種データを整理、蓄積していく方向性を確認。更新費用の推計手法や考え方の標準化については、引き続き議論していく見通しだ。