〈耳寄り〉 二級建築士は早期取得の動きが目立つ
2017/12/11コラム
建設メール
今月7日に発表された2017年二級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を見ると、受験者数、合格者数は前年比で減少したものの、合格率は微増の53・2%となった。合格者の主な属性を見ると、年齢別では近年増加傾向を示していた24歳以下が49・4%、受験資格別では学歴のみが71・4%と、いずれも過去最高の割合となった。
実務経験を必要としない、所定の学科を卒業した入社1、2年目の新社会人や建築系の大学院生などが多いことから、総合資格学院を運営する総合資格では「学生時代から勉強し、在学中または入職後早い時期に二級建築士資格を取得する動きがトレンドからスタンダードへ変化している」と推察する。
近年の二級建築士設計製図試験では、設計の自由度が高く、実務に一歩踏み込んだ図面を要求する課題が出題されている。総合資格によると、17年の試験は「図面の未完成や失格要件」に該当する受験生の割合が前年と比較して少なく、他の受験生よりも優れた「プレゼン力のある図面を描き上げられたか」という点が、合否の大きな要因になったと分析している。
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建設業界にとっては担い手の確保・育成が喫緊の課題となっており、今後も若手の育成に、一層力を入れる企業が増えることは確実。二級建築士の資格取得もその一つであり、実務経験の浅い受験生が合格を勝ち取るための勉強方法が、より重要になりそうだ。