【日本型枠】 保険加入率上昇も「後戻りできない」
2017/12/19業界動向
建設メール
日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)は、会員企業を対象にした型枠大工雇用実態調査結果を公表した。社会保険加入状況のうち、厚生年金の加入率が昨年の44%から85%へ急激に上昇したことに対し、「加入率が大幅に改善したことは喜ばしいことだが、これからは社会保険費用の適正な確保が重要」と後戻りできない状況にあることを強調した。
型枠技能工の雇用については、昨年まで2年連続で若年齢層の雇用拡大が進んでいたが、今回の調査では型枠工事量の急激な減少と社会保険加入推進に伴い、増加した型枠工の雇用維持が厳しい状況となり、就労者数が減った。
法定福利費の確保に関しては、標準見積書を提出した工事563件のうち、満額確保できたのは前年比8ポイント増の37%。一方、全く確保できなかったのは同比6ポイント減の16%となった。工事発注者別に見た法定福利費の確保率では、民間工事は361件に対して18%、公共工事では186件に対して11%が確保不能となり、非常に大きな問題を抱えていることが浮き彫りとなった。そうした中、見積書へ法定福利費を記載しない理由として、記載しても支払われないからという理由が半数以上だったことを受け、「適正な競争のためにも可能性を自ら閉ざすべきではない」と呼び掛けている。
会見で三野輪会長は「元請けから費用をいただくことについては有効な手立てが出来ていないのが現状。せっかく保険に加入しても負担が増えるだけでは、業界離れが進んでしまい意味がない。働き方改革についても同じだが、一様に推進するだけでは業界から人がいなくなるという問題も含んでいることを考えていかなければならない」とコメントした。
調査は8月に会員企業213社から回答を得たもの。