【低入札調査基準】 業務は本社費用考慮し引き上げ
2016/03/14建設時事
建設メール
国土交通省は、直轄業務における低入札価格調査基準を見直す。本社の人件費を考慮して一般管理費等の算定率を引き上げるもので、品質確保の観点から従来は算定していなかった本社の従業員給与手当てなどを2016年4月以降に発注する業務では算定することになった。
土木関係建設コンサルタント業務および補償関係コンサルタント業務は、一般管理費等率の算定率を30%から45%に、測量業務は諸経費率の算定率を40%から45%に引き上げる。地質調査業務では解析等調査業務費率の算定率を75%から80%に、諸経費率の算定率を40%から45%に見直す。
今回の引き上げにより、基準値の平均は土木関係建設コンサルタント業務および補償関係コンサルタント業務で約5%、測量業務と地質調査業務では約2%引き上げられる見通しだ。
〈記者の眼〉
工事と違って、これまで本社の経費を考慮していなかった業務で見直しを行ったことは大きな一歩といえる。背景には設計等の品質管理部門を本社に置く企業が増えていることがある。本社で行っている品質管理の経費を計上することで、現場にしわ寄せが行くことを回避する狙いがある。
今回、業界団体が求めていた水準まで引き上げられることはなかったが、もう一方の大きな要望である納期の平準化の実施が注目される。