【全建が将来展望】 地域建設業の「羅針盤」示す
2018/03/26業界動向
建設メール
創立70周年を迎える全国建設業協会(全建)は、「地域建設業将来展望」をまとめた。副題には「大転換期の地域建設業は自ら未来をどう切り拓くのか」と銘打っており、地域建設業に携わる人々の羅針盤として、また地域建設業に関わる人々に対して目指すべき姿とする対外的メッセージとして位置付けている。
同展望では、まず現在が生産年齢人口の減少と高齢化の進行という「人口減少」、IoT等の情報通信技術の発達による新たな付加価値の創出や産業構造・就業構造の劇的変化といった「第4次産業革命」の2大転換期を迎えている点に注目。これを好機ととらえ、地域建設業の強みを活かした取り組みで新時代を構築するとしている。
地域建設業の役割については、①国土形成産業として良質な住宅・社会資本の形成②地域危機管理産業としての安全・安心の確保③地域活性化・地方創世の主体④人財育成産業として若者に生涯を託せる職場の提供⑤地域基幹産業として経済・社会活動による地域社会への貢献―を挙げている。
その上で、地域に求められる地域建設業が目指す方向として、地域建設企業力を最大限発揮・活用し、確固たる経営基盤を構築するとの方向性を示した。
地域建設企業力とは、地域の実情を熟知している技術者・技能者の保有、地元に誇りを持って働く、身近な信頼関係の構築、地域ネットワークの活用、地域の資源利活用といった強みを示す。一方、確固たる経営基盤の構築とは、高い生産性、優れた技術力、働く人達に報い大事にすること、事業継続・危機管理体制の確立等を意味している。
また、会員企業が活動しやすいよう、都道府県建設業協会が環境整備をバックアップし、各企業が抱える課題への組織的対応や発注者の理解と信頼の確保等に努める。さらに、その後に控えている全建が都道府県建設業協会の活動を全国レベルに引き上げ、推進するためのエンジンとなり、地域建設業の魅力ある姿や社会資本整備の必要性を積極的に広報。各団体・業界との関係強化、建設産業界の発展に寄与するとしている。
将来展望策定は2017年7月の総合企画委員会で専門委員会を設置。その後3回の委員会で審議しとりまとめ案を策定し、7日の総合企画委員会で、15日の理事会で審議したもの。5月の定時総会で詳細を公表する。