【直轄業務】 3月納期分散のモデルケースを検討
2018/05/10建設時事
建設メール
国土交通省は2018年度における設計業務等の品質確保に向けた重点方針を定め、地方整備局へ通達した。注目は履行期限の平準化で、業務周期の見直しに向け3月に集中している納期を他の期間に分散させるモデルケースを検討する。18年度の履行期限の設定については、当面の目標として当該月に履行期限を迎える業務件数の比率を従来通り4月~12月および1月~2月は各25%以上、3月は50%以下にすることを目指す。
19年度に向けては適正な履行期間を確保した上で測量、地質調査、設計の一連の流れを踏まえ、早期発注、国債や翌債の活用等により計画的な業務発注に努め、履行期限の年度末集中を避けることを検討していく。
3次元データを活用するBIM/CIMの推進に関しては橋梁、トンネル、河川構造物(樋門・樋管等)、ダムなどの大規模構造物の詳細設計において、発注者指定型または受注者希望型によりBIM/CIMの活用を原則対象とする発注を行う。従来の2次元図面の利用にとらわれず受発注者が協同してBIM/CIM活用の効果を高めるよう努力し、契約図書としての要件を備えた3Dモデル等の作成・納品を行う業務発注にも努める。
適切な入札・契約方式の選定では、事業の初期段階における地質調査業務で「地質リスク調査検討」、測量業務で「3次元ベクトルデータ作成」など高度な技術が要求されるプロポーザル方式等を拡大し、全地整で複数件実現できるよう検討する。
また担い手の中長期的な育成・確保の観点から、受注者の集中や競争性の確保に留意しつつ地域の実情に合わせて全業務の約1割を目標に、若手技術者の配置を促す入札契約方式(タイプⅠ~Ⅲ)のいずれかを全地整で実施する。さらに地域企業の活用を図るため、業務の特性に応じて適切な地域要件の設定やチャレンジ型などによる入札契約手続きを行う。
他にも地質構造が複雑で地形の変化が大きい箇所など特に地質情報の不確実性が高い現場の業務の合同現地踏査に、地質業務の受注者等を参画させて留意点などの具体的な説明を求める試行を実施する。各地整で2件以上試行し、効果や課題をまとめる。