【公共建築】 市町村向けの設計者選定入門マニュアルを周知
2018/05/25建設時事
建設メール
国土交通省官庁営繕部が作成した公共建築工事で適切な設計者選定を行うための解説書「建築設計業務委託の進め方」が全国営繕主管課長会議で了承された。市町村などの発注者が設計者を選定する際の入門書的なマニュアルとなり、設計者選定の考え方や選定手続き前に行うこと、選定方式別の実施方法・留意事項などを解説している。引用して使用可能な書式集と併せて周知を進め、積極的に活用してもらう。
設計者選定方式に関してはプロポーザル方式を重点的に解説し、同方式が技術提案書の提出を求めて技術的に最適な者を設計者として選ぶものであり、国交省では新築、増築等の設計や大規模改修実施設計等で選択していることを紹介。実施手順を示した上で参加資格条件や技術提案を求める評価テーマの設定例、技術提案の表現に関する許容範囲などを分かりやすく説明している。
同会議が昨年度に行った官公庁施設の設計業務に関する実態調査結果によると、新築設計業務の設計者選定に当たり主にプロポーザル方式を採用しているのは都道府県・政令市の54・4%に対し市町村は30・4%にとどまる。ただし今後の見通しでは、市町村のうち51・8%が「近年プロポーザル方式の採用実績は無いが機会があれば採用したい」と回答するなど前向きな姿勢が見られる。
解説書は昨年度に国交省と埼玉県、東京都、神奈川県など10の自治体による検討会を設置し、建築設計三会(日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会)からの意見も反映させて作成した。内容は国交省の公共建築工事の発注者の役割ポータルサイトに掲載する。