【未来投資戦略】 インフラ管理高度化へ新技術導入促進
2018/06/05建設時事
建設メール
政府の未来投資会議が4日に開かれ、「未来投資戦略2018」(素案)の内容が明らかになった。注目の施策では次世代インフラ・メンテナンス・システムの構築などインフラ管理等の高度化が盛り込まれた。国内の重要インフラ・老朽化インフラの点検・診断等の業務において、一定の技術水準を満たしたロボットやセンサーなどの新技術を導入している施設管理者の割合を2020年ごろまでに20%、30年までに100%を目標とする。
インフラ整備・維持管理の生産性向上では、現場での工事発注において実用段階に達していない新技術の活用等を含め、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)などの新技術、新工法、新材料について本年度は1000件以上の工事を目標に導入、利活用を加速させる。さらに新たに開発された少人化・工期短縮効果の高い埋設型枠、プレハブ鉄筋等の新技術の現場導入を促進するため、年度内に技術基準類を整備する。
また有識者による社会資本メンテナンス戦略小委員会が年内にまとめる提言を踏まえて、新技術開発・導入やデータの活用とオープン化、人材育成などに向けた今後5年間に取り組むべき施策の工程表を作成する。インフラ長寿命化計画等についても本年度中に中間的な評価・点検を行い、必要に応じて見直しを検討する。維持管理・更新費の新たな推計も早期に実施する見通しだ。
地方自治体における新技術開発・導入の促進に向けてはモデル自治体を順次選定し、新技術に対する自治体の需要への適合性評価を国が集中的に支援するとともに、インフラメンテナンス国民会議等を活用して先行事例を横展開していく。
他にも地下に埋設された管路などの下水道施設について、本年度から維持管理情報を蓄積してデータ活用により下水道管理を高度化する実証事業を行う。20年度までにガイドラインを策定し自治体へ通知する。