【けんせつ小町】 初の表彰式 男女問わずの取組が評価
2016/03/22建設時事
建設メール
日本建設業連合会(日建連)は22日、本年度からスタートさせた「けんせつ小町活躍推進表彰」の第1回表彰式を開いた。応募98件から最優秀賞1件、優秀賞4件、特別賞6件が選ばれた。初の最優秀賞は、戸田建設の大正製薬大宮新物流倉庫建設工事作業所。女性だけではなく、現場スタッフすべてが働きやすい職場を目指し、1人当たりの残業時間を月44%削減した実績が評価された。
木村匡所長が「イクボス」として、育児中の女性社員が働きやすい職場を目指した。特徴的なのは、女性社員だけでなく、現場スタッフ全員が仕事の進め方や時間管理の見直しをはじめ、業務の効率化を図った。
具体的には各担当に正副でチェック体制をつくり、不足の事態へのフォロー体制を日常からつくりこんだ。このためには、かたよった業務量にならないための配慮が必要で、業務の見直しを自然に進めることができた。
結果として、全社員が交代の残業や代休をスムーズに取ることができ、残業時間の削減が実現できた。女性だけではなく全スタッフの職場環境の改善を実現したこと、またそれが生産性の向上にもつながったことが評価された。
また、こうした取り組みを水平展開するため「小町度チェック」と指導を率先して行ったことも受賞のポイントになった。
■イクボス
子育てに積極的にかかわる男性(=イクメン)に理解があり、男性社員の育児休暇取得を促すなど働きやすい環境整備に努める経営者や上司のこと。
〈記者の眼〉
育児休暇などの制度を整えても、職場内に「使いにくい雰囲気」があるとなかなか取得は難しいと聞く。女性の働きやすさを考えるとは、男性も含めた全社員の働きやすさを考えることに、実は直結する。今回最優秀に選ばれた現場はまさにそれを具現化したと言える。規模の大きな大手の現場だからできたことかもしれないが、働きやすい職場環境を目指すという姿勢は、規模の大小を問わず必要なことだと思う。