【専門工事企業】 共通項目と選択項目で能力「見える化」
2018/06/08建設時事
建設メール
国土交通省は7日に開いた専門工事企業の施工能力の見える化等に関する検討会で、「見える化」する項目や仕組みの考え方を提示した。項目に関しては業界共通の必須の情報を「共通項目」、それ以外を業種ごとの「選択項目」として整理する。建設業許可や財務状況などの基礎情報、建設キャリアアップシステムと連動させた技能労働者の能力評価等の施工能力、監督処分や法令違反、社会保険加入状況等の法令順守・安全衛生は「共通項目」として設定する。
「選択項目」については建機の保有状況や表彰などの施工能力、処遇・福利厚生、人材確保育成状況、地域貢献などを候補とし、専門工事業団体から選択してもらう。施工実績に関しては元請け・発注者・専門工事企業がいずれも重要と考えているため、公表情報ではないものの、自由記述として「見える化」する。
「見える化」の仕組みとしては、まず検討会で枠組みを提示後、各専門工事業団体で「見える化」する項目などを設定し、国交省が認定する。各企業は専門工事業団体に企業情報を提出し、評価付けは団体内に設置した第三者委員会が行う。第三者委員会は評価をまとめた結果を団体に報告し、団体が結果を企業へ通知するとともに情報の「見える化」を実施する。
情報の活用は主に元請け企業を想定しているが、公共・民間の発注者、入職者等からも活用してもらえるように引き続き仕組みを検討する。
建設技能者の能力評価に関してはワーキンググループを設置して制度の検討を進めている。評価の実施主体は評価基準を策定した専門工事業団体が行うことや、評価実施に当たり建設キャリアアップシステムで把握できる技能者情報や就業履歴情報を入力することで自動的にポイントやレベルを計算・判定するシートの活用などが議論のたたき台になっている。
専門工事企業の施工能力の見える化制度と建設技能者の能力評価制度は、いずれも夏ごろに枠組みを提示、年度末までにガイドライン等を策定して来年度から運用を始める。