【全建】 民間建設工事の働き方改革で工期平準化は困難
2018/06/14業界動向
建設メール
建設業における働き方改革推進に向け全国建設業協会(全建)は、会員企業に対して鉄道、電力、ガス、住宅・不動産の4分野の民間建設工事に関するアンケート調査を実施した。その結果、労務単価・経費の引き上げ、工期の平準化、書類の簡素化が大きな課題であるとの回答を得た。特に工期平準化については完成月が年度末に集中する傾向があるため、工程の設定が難しいとの指摘があった。
建設業の働き方改革推進に当たっては、政府、受発注者や行政が連携を取り、4分野で連絡会議が設置されている。全建ではその検討に対して会員企業の声を届けるべく、アンケートを行った。
質問は適正な工期設定等に向けた課題について、分野別と横断的な共通課題で設定した。鉄道では「関係諸機関、発注者内部部署間との調整に膨大な労力と時間がかかる」、「混雑駅に応じた作業時間設定を考慮してほしい」、住宅・不動産では「発注者の設定する工期や契約締結後の工期の前倒し要求等に問題がある」、「技術者・技能者が不足」という意見が多かった。
また共通課題で回答数の多いものを見ると、「適正な工期のためには労務単価・経費の引き上げが必要」(43社)、「民間発注者の4週8休を前提とした工期設定を求める」(39社)、「完成月が年度末に集中する傾向があり、休めない工程を組まざるを得ない」(26社)などが目立つ。
調査は3月に依頼し、67社から回答があった。分野別では鉄道13、電力4、ガス4、住宅・不動産43、分類無し12の意見があった。